高次脳機能障害とは、脳梗塞や脳出血、脳外傷などの脳の損傷が原因で、脳機能のうち、
言語や記憶、注意、情緒、行動、学習、判断、知覚といった認知・精神機能に起こる障害です。
高次脳機能障害の患者さんは、全国に50万人位いるといわれています。
高次脳機能障害の発症の原因は8割が脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの脳血管障害)で、
1割が交通事故などによる脳外傷です。
その他にも脳炎、低酸素脳症、脳腫瘍、症候性てんかん、正常圧水頭症、パー筋層病などによる脳損傷で発症することもあります。
高次脳機能障害の症状は、病識の低下、意欲の低下、背う高機能障害、行動と情緒の障害、注意障害、記憶障害、
失行症、失認症、失語症、半側空間失認などがみられます。
脳の損傷部位によってみられる症状が違います。また、同じ損傷部位でも全く同じ症状がみられるとは限りません。
その方によって、症状の程度は違います。
高次脳機能障害は外見からは分かりにくく、実際の生活や社会に戻ってから問題が顕在化することも少なくないため、
「見えない障害、隠れた障害」などと言われたりします。
言語聴覚士は、高次脳機能障害の評価を行い、高次脳機能障害の患者さんのリハビリを行います。
理学療法士、作業療法士など他職種と協力してリハビリを行うことも多いです。
そして、何より大切なのがご家族の協力です。
患者さんが実際の生活に戻った時に、一番近くにいて一番頼りになるのがご家族だからです。
言語聴覚士は、患者さんご本人だけでなくご家族にも、高次脳機能障害について丁寧に説明し、
実際の生活で気を付けること、対処法やサポートの仕方などをご家族の伝えします。
(ご家族がいない方の場合は、ケアマネさんにお伝えします)
世の中の皆さんに高次脳機能障害について少しでも知っていただき、
高次脳機能障害の患者さんとご家族を、社会全体でサポートできるといいなと思います。