高次脳機能障害 意欲の低下について

今回は、高次脳機能障害の「意欲の低下」についてお話したいと思います。

意欲の低下は、自発性の低下、発動性の低下ともいわれます。

何事も始めることができない、または、始める意欲が持てない状態です。

本人に自覚がないこともあります。

 

<症状>

・何事も始められない

・考えや意見が浮かばない

・何事にも意欲が持てない

・前向きに考えることができない

・自分から会話を始めることができない

・他人や周囲のことに興味がない

・ぼーっとしてしまう

・表情が暗い、硬い

 

<周囲の対応>

・患者さんに「怠けている」というようなことを言わない

・なるべく始めるきっかけを与えてあげる

・感情(喜怒哀楽)を分かりやすく表現する

・自分から始められていることがあったら、できていることを褒める

・患者さんが興味を持てるものを提案してみる

・何かに取り組むときは、分かりやすく、順序立てて教えてあげる

 

<対応のポイント>

・意欲の低下はあくまで病気の症状の一つとして理解して、患者さんと接してください。

・患者さんは「分かっているけどできない」状態であることを理解してあげてくださいね。

・何かを提案するときは、いくつか選択肢を用意して、患者さんに選んでもらうといいですよ。

・日々の日課は、一緒にチェックリストを作って、チェックしながら行うのも良いですね。

 

<患者さんへのアドバイス>

・何だったら自分から始められそうか考えてみましょう。

・好きなことから始めてみましょう。得意だったものでもいいですね。

・今日できなくても、また明日トライしてみましょう。

・一人でできそうにない時は、誰かに一緒にやってもらいましょう。

・毎日やる日課を書き出して、何個自分からできるか試してみましょう。