今回は、高次脳機能障害の「病識の低下」について、お送りします。
病識の低下は、病識の欠如、病識の欠落ともいわれます。
自分が障害を持っていることに対する認識が上手く持てない状態です。
障害がないかのような発言や振る舞いがみられます。
<症状>
・現状ではできそうもないことをできると言ってしまう
・現状ではできそうもないことをやろうとしてしまう
・できないことを他者に指摘されても納得できないことがある
・危険行動をとってしまいがちで転倒などのリスクが高い
<周囲の対応>
・どうしてできないかを分かりやすく説明して、理解を促す
・言葉でできないことを伝えても伝わらないときは、一緒にやってみてできないことを体感してもらう(安全な範囲で)
・患者さんと同じような障害の方を見てもらい、理解を促す(客観的に気づいてもらう)
<対応のポイント>
・できないことばかりを指摘するのではなく、できることにも目を向けましょう。
・どこまではできるのか、どこからが危険なのかを見極めましょう。
・患者さんにも、一人でできること、一人では危険なことを丁寧に説明しましょう。
(なぜ危険なのか理由も説明するといいですね)
・すぐ忘れがちな患者さんには、目につくところに書いて貼ってあげましょう。
・誰かと一緒ならできることは、できるだけ一緒にやってあげましょう。
<患者さんへのアドバイス>
・病気をしたことで、今まで通りにできないこともあります。でも、できることも勿論あります。
・今の自分は一人で何ができるのか、何ができないのか、できないことはどうしてできないのかを考えてみましょう。
・一人で考えても分からないときは、誰かに聞いてみましょう。
・一人でできないことは、誰かと一緒にやってみましょう。