高次脳機能障害 自己抑制の低下について

今回は、高次脳機能障害の「自己抑制の低下」について、お送りします。

自己抑制の低下は、脱抑制、行動と感情の障害ともいわれます。

何事にも抑制が効かず、感情や行動をコントロールできない状態です。

衝動的な言動を繰り返してしまいます。

 

<症状>

・よく考えずに衝動的な言動をとってしまう

・じっとしていられない

・何事も待てない

・イライラしやすい

・すぐに腹を立てる

・してはいけないと分かっていても、抑えることができない

・冷静になることができない

・人を許すことができない

 

<周囲の対応>

・患者さんのことを批判したり、否定したりしない

・患者んがいうことを最後まで聞く

・患者さんがイライラし始めたら気づいてあげる

・患者さんが気持ちをリセットできるような声掛けや誘導をする

・不適切な言動は指摘してよいが、責めたりしない(淡々と、その言動がどう思われているのかを伝える)

 

<対応のポイント>

・あくまで病気の症状の一つとして理解して、人格を否定したりしないことが大切です。

・患者さんがイライラし始めると対応する方もイライラしやすくなってしまいがちですが、冷静に対応しましょう。

・患者さんが怒りやすい場面やポイントを知り、できるだけそれを避けるようにしましょう。

・患者さんがリラックスできる方法があれば促してあげたり、一緒にやってみましょう。

・話をじっくり聞いてあげれば落ち着けることが多いので、話を聞いてあげましょう。

 

<患者さんへのアドバイス>

・行動する前に深呼吸をして、一息待つ練習をしてみましょう。

・行動する前に心の中で確認しましょう。

・イライラしたら、一度その場から離れてみましょう。

・周囲の人の注意されたら、なぜ注意されたのか考えてみましょう。

・リラックスできることや場所を見つけましょう。

・なかなかイライラが治まらないときは、誰かに話を聞いてもらいましょう。