高次脳機能障害 見当識障害について

今回は、高次脳機能障害の「見当識障害」についてお送りします。

見当識障害は失見当識ともいわれます。

季節や日付、時間、場所など自分がどのような状況にいるのか分かりにくくなってしまう状態です。

人物が分からなくなることもあります。

 

<症状>

・今の季節が分からない

・今日の日付が分からない

・今、どこにいるのか分からない

・身近な人が誰か分からない

・ボーっとしてしまうことがある

・逆に落ち着きがなくなることも

・どこかに行ってしまうことがある

・生活全体が上手く繋がらない

 

<周囲の対応>

・患者さんが何(日時・場所・人物)が分かっていて、何が分かっていないのかを把握する

・患者さんが気づけるような声掛けをする

 (「今日は暑いですね「もうすぐお正月ですね」「あと1時間でお昼ご飯ですね」など)

・一緒に季節や日付、スケジュールや時間などを確認する

・生活がスムーズにいくよう誘導する

 

<対応のポイント>

・時間や場所、人物を認識させようと患者さんにプレッシャーをかけない

・クイズのように「今日は何月何日ですか?」などと聞かないようにする

・今日は「〇月〇日〇曜日ですね」と一緒に確認してあげてください

・一日のスケジュールなども一緒に確認し、生活ができるだけスムーズにいくよう誘導してあげましょう

・患者さんの不安を取り除くことが大切です

 

<患者さんへのアドバイス>

・外の様子やカレンダー、時計などを見る習慣をつけるといいですね

・カレンダーには毎日、印を付けると良いですよ

・スケジュール表を作ってもらって、できるだけそれを見ながら過ごしてみましょう

・大事なことはメモを書いておきましょう

・分からないことは何でも人に聞きましょう