今回は、高次脳機能障害の「遂行機能障害」について、お送りします。
遂行機能障害とは、物事を計画し、それを実際に行動に移すことが難しくなる障害です。
理論的に考えたり、問題を解決したり、推察することが難しくなります。
やりたいことがあっても、それに必要な段取りが分からず、達成するのが困難です。
<症状>
・物事のゴール設定が難しい
・物事の優先順位が決められない
・物事の段取りが決められない
・複数の作業を同時に行うことが困難
・一つのことにこだわってしまい、次の段階に進むことができない
・予期できない出来事が起こると混乱してしまう
・必要に応じて修正したり、計画の変更をすることができない
<周囲の対応>
・物事を行うときはゴール設定を明確にする
・曖昧な指示は避け、具体的かつ要点を絞って言葉かけを行う
・順序立てて説明するよう心掛ける
・いつ、どこで、誰が、どのように、その結果どうなるのかを分かりやすく示す
・患者さんに決断を求めるときは、分かりやすく賛否両論を提示する
<対応のポイント>
・一度にたくさんの指示を与えないように気を付けましょう
・見通しのはっきりしない抽象的な指示は避けましょう
・一緒に物事のゴールを確認し、それには何が必要か、どんな手順でやったら良いのかを一緒に確認しましょう
・急な予定変更や、新しい指示はできるだけ避けましょう
・患者さんがこだわっていることは否定せず、できるだけ付き合ってあげましょう
<患者さんへのアドバイス>
・自分が達成したいことは何か明確にしましょう
・そのためにはどんな準備が必要か、どんな段取りが必要かを考えてみましょう
・それらを具体的に書き出してみましょう
・時間に余裕をもって計画を立て、取り組んでみましょう
・一つ一つ確認しながら進めましょう
・分からないことは周囲の人に聞きましょう
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