高次脳機能障害 注意障害について

今回は、高次脳機能障害の「注意障害」について、お送りしたいと思います。

注意障害は注意の低下、集中力の低下ともいわれます。

必要なものやことに注意を向け、集中し、それを維持することが難しい状態です。

必要に応じて注意を切り替えることも難しくなります。

 

<症状>

・注意散漫になりやすい

・周囲の刺激によって気が散りやすい

・集中を維持できない

・人の話を最後まで聞けない

・話の内容を十分に理解できない

・自分が気になるものには異常なまでに注意を向けることがある

・自分が気にならないものには注意を向けられない

・物事を終わらせるのに時間がかかる

 

<周囲の対応>

・余計な刺激をなくす(静かな環境を作る、必要なもの以外は片づけるなど)

・何か伝えるときは、患者さんが自分の方を見ているかどうかを確認してから話す

・話は単純明快に、要点を絞って話す

・何かに取り組むときは、ゆっくり時間をかけて取り組んでもらう

・都度、確認しながら行うよう促す

・疲れている様子がみられたら休憩を促す

・少しでも出来ていたら褒める

 

<対応のポイント>

・注意障害の程度や症状は様々なので、どの程度の注意障害か観察して接しましょう

・一度にたくさんの情報を与えないようにしましょう

・ひとつひとつ一緒に確認しながら、話したり、行ったりしましょう

・一度にたくさんの作業をさせないようにしましょう

・急かさないようにしましょう

・比較的症状が軽い患者さんは、少しずつ様子を見ながら、難しいことにチャレンジしてみましょう

 

<患者さんへのアドバイス>

・日常生活で必ずやることは、注意するポイントを毎回確認しながらやってみましょう

・注意するポイントを忘れがちなときは、書いて貼ってみましょう

・確認する習慣をつけましょう

・自分が好きなものや興味があるものに取り組んでみましょう

・疲れたら無理せず休憩しましょう