今回は、久しぶりに「失語症」についてお送りします。
失語症も高次脳機能障害の一つなんですよ。
失語症は、脳梗塞や脳出血などの脳卒中や、頭部外傷などによって、脳の言語領域が傷ついて
言葉が上手く使えなくなった状態です。
失語症になると、「話すこと」「書くこと」「聞いて理解すること」「読んで理解すること」が
難しくなります。
失語症にはいくつかのタイプがあります。
<失語症の症状>
・相手の話していることが理解できない
・文字を理解できない
・言葉がスムーズに話せない
・流暢に話せる場合でも、誤りが多く、相手に伝わらない
・文字を思うように書けない
・計算ができなくなることも多い
*一つ一つの症状の程度は、その人によって異なります。
<失語症のタイプ>
失語症は大きく非流暢性・流暢性の2つに分けられます
・非流暢性失語は、聞いて理解したり、読んで理解する能力は比較的保たれているものの、発話が出にくく、流暢に話すことが困難です。
・流暢性失語は、理解面の低下が顕著で、発話は流暢ですが、言い誤りが多発し、内容が相手に伝わりにくい状態です。
・理解も発話も重度に困難な状態は全失語と言います。
<接するときの注意点>
・患者さんが話せないからと言って、50音表を指して伝えることや、筆談をさせようとしてはいけません。
(失語症の患者さんは、文字を十分に理解したり、文字を書くことが困難です)
・言葉が理解できない、話せないからといって、子ども扱いしないようにしましょう。
(失語症の患者さんは、記憶力、状況判断力は保たれていることが多く、子ども扱いされると非常に傷付きます)
・患者さんに話すことを急かしたり、無理に言わせないよう注意しましょう。
<対応のポイント>
・失語症が重い方には、「はい」「いいえ」で答えられるような質問をしましょう。
・なるべく簡潔に短い文で話しましょう。
・ゆっくり話すことを心がけましょう。
・話している内容が伝わりづらい時は、実物やジェスチャー、絵や文字を見せながら話しましょう。
・一度にたくさんの情報を与えないようにしましょう。
・できるだけ1対1で話すようにしましょう。
・患者さんが話せなくて困っているときは、指差しや身振り手振り、絵などで伝えてもらいましょう。
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