サルコペニアは、ギリシャ語の「筋肉」を表す「サルコ」と、「喪失」を表す「ぺニア」を組み合わせた言葉で、日本語で「筋肉減少症」と訳されます。
加齢や疾患により筋肉量が減少することで、全身の筋力低下および身体機能の低下が起こることを指します。
サルコペニアは四肢・体幹だけではなく、口腔顔面や嚥下に関わる筋にもおこります。
<サルコペニアの大分類>
サルコペニアは加齢によって生じることが多いのですが、若年者でもみられることがあります。
サルコペニアは、加齢によって起こる「一次性サルコペニア」、それ以外の原因で起こる「二次性サルコペニア」の大きく2つに分類されます。
<サルコペニアの小分類>
*一次性サルコペニア*
①加齢性サルコペニア
加齢が原因のサルコペニア(加齢以外に原因がないものを指す)
*二次性サルコペニア*
②活動に関連するサルコペニア
寝たきり、不活発な生活スタイル、無重力状態が原因となるもの
③疾患に関連するサルコペニア
重症臓器不全(心臓、肺、肝臓、腎臓、脳)、炎症性疾患、悪性腫瘍や内分泌疾患に付随するもの
④栄養に関連するサルコペニア
吸収不良、消化器疾患、摂取エネルギーおよびタンパク質摂取不足によるもの、食欲不振を引き起こす薬剤、薬物の使用によるもの
<サルコペニアの原因>
・運動の機会が減少することによる活動量の低下
・筋肉のタンパク質合成と分解作用に関わるホルモンの機能低下、甲状腺機能異常、インスリン抵抗性が起こることによるタンパク質合成の低下および分解の亢進
・筋肉を動かすための指令を伝達する運動ニューロンの損失
・食欲低下や口腔機能の低下による低栄養や、内臓機能の低下による栄養の吸収不足
・基礎疾患や薬剤による食欲不振や体重減少
サルコペニアの原因は何か一つに特定できることもあれば、明確に原因が特定できない場合もあります。
高齢者の場合は加齢や元々の体質、生活環境、慢性疾患など複数の原因が絡み合ってサルコペニアが起こっていることがほとんどです。
また、サルコペニアになることによってさらに悪循環を引き起こしてしまいます。
<サルコペニアの予防>
サルコペニアに陥らないために大切なことは以下の通りです。
・適度な運動(特に下肢、体幹を鍛えるましょう)
・バランスの取れた食事(運動後の栄養補給も忘れずに!)
・生活習慣の見直し(生活のリズムを整え、散歩や運動の習慣化)
・積極的な社会活動への参加
・慢性疾患の管理
・心身の健康維持
サルコペニアにならないために、しっかり栄養を摂って、適度に体を動かしながら、心身ともに健康的な生活を送りましょう!
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