認知症について

今回は、認知症についてお送りしたいと思います。

認知症とは、脳細胞の死滅や活動の低下によって認知機能に障害が起き、日常生活や社会生活が困難になる状態の総称です。

認知症=物忘れとイメージする方も多いと思いますが、記憶の消失だけでなく理解力や判断力にも大きく影響します。

認知症にはいくつかの種類があり、「アルツハイマー型認知症」「レビー小体型認知症」「脳血管性認知症」は三大認知症といわれます。

 

<認知症の症状>

*中核症状* どの認知症でもみられやすい症状

→記憶障害、見当識障害、理解力・判断力の低下、遂行機能障害、失語・失行・失認

*周辺症状* 認知症のタイプや人によってはみられる症状

→無関心、不安・焦燥、暴言、暴力、不眠、徘徊、過食・異食、妄想、せん妄、幻覚、幻聴、幻臭など

 

<アルツハイマー型認知症>

・認知症のうち最も多く、全体の半数以上

・脳にアミロイドβやタウタンパクというタンパク質が異常にたまり、脳細胞の損傷や神経伝達物質が減少することで、脳全体が萎縮して引き起こされる

・主に海馬に萎縮がみられる

・主な症状は記憶障害、見当識障害、遂行機能障害(程度は個人差あり)

 

<レビー小体型認知症>

・アルツハイマー型認知症に次いで多いとされている認知症

・レビー小体という特殊なタンパク質が脳内に生じることで脳神経細胞が破壊され発症する

・主な症状は記憶障害や見当識障害、遂行機能障害に加えパーキンソン症状や幻視、自律神経症状、薬剤への過敏症などもみられる

・初期は認知機能の低下よりも、手足の震えや動きが遅くなるなど、パーキンソン症候群特有の症状が現れる(個人差あり)

 

<脳血管性認知症>

・脳卒中(脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血など)により脳細胞が死滅することで発症する認知症

・主な症状は記憶障害、見当識障害に加え、感情失禁(感情のコントロールが難しい)がみられる

・身体麻痺や言語障害を併発している方が多い

・病識があるため落ち込んだり鬱になりやすい

・一日の中でも症状の変動がみられやすい

 

<認知症の方への対応>

・穏やかに接しましょう

・話をよく聞いてあげましょう

・同じことを何度も繰り返し話していても、初めて聞いたように傾聴しましょう

・否定しないように心がけましょう

・できるだけ怒らないようにしましょう

・自尊心を気付けないように注意しましょう

・昔の話で盛り上がりましょう

*介護者の方は本当に大変だと思います頑張り過ぎず、一人で抱え込まず、時には誰かに弱音を吐いて下さいね!

 

<認知症の予防>

・規則正しい生活を送りましょう

・適度な運動をしましょう

・バランスの取れた食事を摂りましょう

・生活習慣病に気を付けましょう

・たくさん会話をしましょう

・たくさん笑いましょう

・外に出かける機会を持ちましょう

・楽しみや趣味を持ちましょう

・社会活動にできるだけ参加しましょう

*人と接すること、関わること、会話をすることは認知症予防にとても大切です!