軽度認知障害とは、MCI(Mild Cognitive Impairment)とも呼ばれ、認知症の一歩手前の状態です。
認知機能の低下がみられるものの、現状では認知症とされるほどではなく、日常生活には困難をきたしてはいません。
正常な状態と認知症の中間といえます。
軽度認知障害を放置すると症状が進み、認知症へと移行してしまう可能性が高いといわれています。
<軽度認知障害の症状>
・記憶の低下
・注意力や集中力の低下
・無気力
・計画を立てて実行することができない(遂行機能障害) など
*いずれも認知症に比べると症状は軽度それゆえ、本人も周囲の人も軽度認知障害と気づかないことが多い
<軽度認知障害の症状具体例>
・同じ話をすることが多くなった
・先ほど食べたものや知人の名前、銀行口座の暗証番号などを忘れる
・お金の計算やスケジュール管理ができなくなった
・料理の味付け、仕事や車の運転などの様子が今までと変わった
・好きだった趣味活動をしなくなった
・ぼんやりすることが増えた
・疲れやすく元気がない
・やる気がわかない
<軽度認知障害が疑われたら>
・軽度認知障害は判別が難しいものです早期発見・早期対応のためには、ご本人の状態を普段からよく観察し、変化に気づくことが大切です。
・気がかりな症状が出はじめたら、それを記録に残して経過観察しましょう。
・記録することで、症状が現れる頻度や要因などを、客観的に状把握することができます。
・また、医療機関で診断を受ける際にも非常に有用な情報となります。
<症状が続いたら受診を!>
症状の記録を付けてみて、疑わしい症状が続く場合には、医師の診察を受けてみましょう。
・かかりつけ医がいる場合は、かかりつけ医に相談してみましょう必要があれば、かかりつけ医を通して専門医療機関を紹介してもらえます。
・自治体や医師会が「もの忘れ外来」「認知症外来」など認知症に詳しい医療機関の情報を提供している場合もあります。
<早期発見のメリット>
・軽度認知障害は認知症の前段階とされています軽度認知障害は認知症になりうるリスクを発見するための概念です。
・軽度認知障害の診断を受けた人すべてが認知症となるわけではありませんし、健常な状態に回復する可能性も決して低くありません。
・軽度認知障害は健康上、生活上において何らかのリスクを抱えている状態でもあります生活スタイルを変えるための「SOS」と考えるとよいでしょう。
<軽度認知障害の予防や対応・診断を受けたら気を付けること>
・軽度認知症の予防や対応で気を付けることは、基本的には認知症の予防や対応と同じです。
(前回の「認知症について」をご参照下さい)
・それに加えて、ご本人が苦手になっていることをサポートする方法を考えていくことが大切ですご本人や家族と相談して対応を共有しましょう。
・また、認知症に移行する可能性も考え、認知症について学び、備え、心構えを持ちましょう。
・一人で悩まず、誰かに相談しましょう!!!
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