今回は、嚥下障害から発症してしてしまうことがある誤嚥性肺炎について、Q&Aで掘り下げていきたいと思います。
嚥下障害、誤嚥性肺炎についての基本的な情報については、以前の投稿をご参照ください。
Q1. ご飯を食べていない人は誤嚥性肺炎にならないの⁈
A1. 食べていなくても誤嚥性肺炎になります。
点滴で栄養を摂っていたり、鼻からの経管栄養や胃瘻から栄養を摂っている方でも、唾液を誤嚥することによって誤嚥性肺炎を起こすことがあります。
口腔内が汚い状態だと、唾液中の細菌数が多くなり、唾液を誤嚥したときに肺炎になるリスクが上がってしまいます。
また、口から食事を摂っていない方は体力がなく、抵抗力も落ちているため、誤嚥したときに肺炎になりやすい状態です。
Q2. 食事を食べていない人はどうやって誤嚥性肺炎を防げばいいの⁈
A2. まずは姿勢を気を付けましょう。
口から食事を摂っていない方は、寝たきりになっている方がほとんどです。この寝ている時の姿勢が大切なんです!
仰向けの場合は、リクライニングベッドを30°程度に保ち、枕をしっかり入れて顎が軽く引けるような姿勢にしましょう。
リクライニングベッドがない場合や、首が後ろに反りやすい方は、横向きに寝てしっかり腰を引き、背中を軽く丸める姿勢をとると、顎が引きやすくなり、唾液を誤嚥しにくくなります。
Q3.寝たきりの人で姿勢以外に気を付けることは⁈
A3. 姿勢以外にも以下のことに気をつけましょう。
・食事をしていなくても口腔ケアをしっかりやること
・寝たきりでも関節可動域訓練など、体を動かすこと
・できれば車椅子に乗るなど離床すること
・顔や口腔内に刺激を入れること(マッサージなどでもよい)
*ご家族だけで難しいことは、PT、OT、ST、Ns、介護士にご相談下さい!
Q4.食事を食べている人はどうやって誤嚥性肺炎を予防すればいいの⁈
A4. 食べている人は以下のことに気を付けましょう
・食前、食後の口腔ケア
・食事の前に首、肩、口、舌などを動かして準備体操をする
・食事の環境を整え、食事に集中する
・誤嚥しにくい安定した姿勢で食事を摂る(適切な姿勢をSTなどに指導してもらうと良いでしょう)
・その方に合った誤嚥しない形態の食事を摂る(こちらもSTに相談を!)
・食後30分以上は体を起こして過ごす
・できるだけ運動やリハビリをして体力を維持する
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