今回は「髄膜炎」についてお話していこうと思います。
髄膜炎は、実は身近な病気なんです。
髄膜炎について一緒に学んでいきましょう。
<髄膜炎とは>
髄膜炎は、頭蓋骨と脳の間にある髄膜に細菌やウイルス、結核菌、真菌(カビ)などが感染し、炎症を起こした状態です。
時にリウマチや膠原病などの自己免疫疾患や、癌が原因で起こることもあります。
<髄膜炎の種類>
種類は大きく分けて2つあります。細菌感染によるものを「細菌性髄膜炎(化膿性髄膜炎)」と言います。
それ以外の要因によるものを「無菌性髄膜炎」と言います。
細菌性髄膜炎は無菌性髄膜炎に比べて死亡率が高く、治癒したとしても後遺症が残りやすいといわれています。特に小さな子どもは注意が必要な病気です。
<細菌性髄膜炎の原因>
細菌性髄膜炎の原因となる菌は、B群レンサ球菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌、リステリア菌、インフルエンザ菌、肺炎球菌、髄膜炎菌など様々です。
新生児の場合は、生まれてくるときに母親の産道から感染する可能性も考えられています。
<無菌性髄膜炎の原因>
無菌性髄膜炎の原因は、手足口病を発症させるエンテロウイルス、プール熱の原因となるアデノウイルス、マイコプラズマ、寄生虫、癌などがあります。
中でもエンテロウイルスによるものが多く、幼児期から学童期にかけての子どもに多く見られます。
<髄膜炎でみられる症状>
・頭痛
・発熱
・嘔吐
・首の硬直
・意識障害
・痙攣
・失語症、高次脳機能障害 など
<髄膜炎の検査>
・診察で首の硬直の有無を確認(首の硬直は髄膜炎の代表的な症状)
・頭部MRI
・腰椎穿刺による脳脊髄液検査
・血液検査 など
<髄膜炎の治療>
原因が細菌である場合は、種類に応じた抗菌薬が使われます。
ウイルス性の場合は、抗ウイルス薬が効くものに関しては薬物療法を行い、それ以外のものは水分補給などで体力の回復を促しながら症状が軽減するのを待ちます。
結核性の場合は抗結核薬、真菌性の場合は真菌の種類に合わせた薬を使用します。
自己免疫疾患によるものに対しては、免疫を抑制する効果があるステロイドホルモン、免疫抑制剤を投与します。
癌が原因の場合は、薬で症状を緩和しながら、同時に癌の治療も進めていきます。
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