もやもや病について

今回はもやもや病についてお送りしたいと思います。

もやもや病は脳梗塞や脳出血を引き起こしてしまうこともある病気です。

早期発見、早期治療が大切です!

一緒にもやもや病について学んでいきましょう。

 

<もやもや病とは>

もやもや病は、脳の内頸動脈という太い血管の終末部が閉塞し、そこから先の血流が悪くなって、不足した血液を補おうと周りにある毛細血管が発達し、本来はなかった血管網を作る病気です。

その血管網が画像検査で煙のように見えるので「もやもや病」と名付けられました。

もやもや病は1950年代に日本で見つかった病気です。

 

<もやもや病の種類>

もやもや病には、異常な血管網が詰まって血流が不足する虚血型と、血管網に負担がかかって破れることで発症する出血型の2タイプがあります。

子どもはほとんどが虚血型として発症し、成人では半数が虚血型、半数が出血型として発症します。

もやもや病は子どもに多い病気で、男性よりも女性がかかりやすい病気です。

 

<もやもや病の症状>

・頭痛 失神

・脱力発作

・片側の手足の麻痺

・不随意運動

・けいれん 

・失語症

・記憶力の低下   など

 

<もやもや病の検査>

・MRI

・脳血管造影検査

・脳血流検査   など

 

<もやもや病の治療>

もやもや病と診断された場合は、脳梗塞や脳出血を防ぐことが重要になります。そのために薬や手術で脳の血流を改善する治療が行われます。

薬による治療は、血流をよくする抗血小板薬が使われます。

けいれんがある場合は抗けいれん薬が使われ、必要に応じて頭痛薬や降圧薬なども使われます。

手術は、不足する脳の血流を補うために血液の通り道をつくる血行再建術が行われます。血行再建術には、直接バイパス術と間接バイパス術があります。

間接バイパス術は、子どもの場合はうまくいくことが多いのですが、成人では不十分なこともあります、成人は直接バイパス術がすすめられます。

 

<直接バイパス術>

直接バイパス術は、開頭して、頭部の皮膚の下の動脈を脳の表面の中大脳動脈に直接つなぎ合わせます。

一時的に血流を遮断して細い糸で血管をつなぎ合わせ、血流を再開させると、手術直後から脳の血流が増加していきます。

時間とともにつなぎ合わせた血管が太くなるため、さらに血流が増加します。

 

<間接バイパス術>

間接バイパス術は、血流が豊富な組織である皮下の血管や筋肉を脳の表面に接着させて、そこから新しい血管の発達を促す手術です。

術後1か月から数か月かけて、脳に対して根を生やすように徐々に血管を発達させていきます。