今回は失語症の方と接するときにご家族や周囲の人が気を付けることについて、お送りしたいと思います。
ポイントが分かると失語症の方とより良いかかわりができると思いますので、ぜひ、参考にしていただけたらと思います。
<気持ちに寄り添って>
失語症の方は、失語症であることを受け入れるまでに、気持ちが様々に変化します。言いたいことが伝わらず、怒ったり、落ち込んだりしてしまいます。
そんな時、家族や周囲の人はそばにいて寄り添ってください。それだけでも失語症の方の心は和らぎます。
失語症の方の心の状態に合わせて寄り添っていただけるといいと思います。
<失語症になった方の心の変化>
失語症への気づき・驚き・混乱
↓
落ち込み
↓
将来への不安
↓
失語症の受容
↓
失語症と共に生きる決意
<話をするときに気を付けること>
失語症の方と話すときは、落ち着いた雰囲気でゆっくりと話すことが大切です。
また、1対1で話すことも重要です。
言葉だけでなく視線や表情、しぐさや身振りも感じ取りながら会話しましょう。
話しかけるときは、端的に、はっきりと、分かりやすい表現で話しましょう。
よく分かっていないような表情をしたときには、別の表現で伝えてみましょう。
<失語症の方が困っているときは>
失語症の方が言いたいことが伝えられず困っているときには、「はい」「いいえ」で答えられるように話しかけてみましょう。
また、絵や文字(単語で書いて)、身振り、実物を見せながら、話してみましょう。伝わったかどうかをお互いに確認しましょう。
伝わってないときは正直に「分からなかったから、もう一度教えて」と伝えましょう。
<失語症の方との会話の3大原則>
1.静かにゆっくりと待つ
言葉が出てこない、言い終わるまでに時間がかかる時は、静かにゆっくりと待ってください。
2.推測しながら聞く
言葉だけでは伝わりにくくても、視線、表情、身振り、前後の文脈などから推測できることがあり、会話の助けになります。
3.分かったふりはしない
分かったふりをしても敏感に感じとってしまいます。関係性を良く保つためには正直に伝えることが大切です。
<一番大切なのは諦めないこと>
失語症の方は、家庭でも社会でも話すことを控えがちで、孤立することもあります。
まずは、話しやすい雰囲気を作ることが大切です。失語症の方が「どうせ分かってもらえない」と諦めたり、遠慮して話せないような状況にならないようにしたいですね。
そのためには家族や周囲の人が失語症の方と諦めず、根気強く、向き合ってくださることが何より大切です!
<失語症の回復>
失語症の回復には長い時間を要します。一般的に発症して数か月は回復が良く、それからは回復は緩やかになりますが年単位での回復がみられます。長くリハビリを続けることで、回復の期間を延長することができます。
病前と同じ状態まで回復する方は稀ですが、少しでも回復したいと思われる方は、長期的に言語聴覚士とリハビリを続けることをお勧めします!
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