今回は「高次脳機能障害との向き合い方」をお送りしたいと思います。
高次脳機能障害の方は日々頑張っていらっしゃると思いますが、ご家族様はそれと同じく、時にはそれ以上に頑張っておられることと思います。
高次脳機能障害にかかわる全ての皆さまが、高次脳機能障害と十図に向き合っていくための手助けになればと思います。
<高次脳機能障害とは>
高次脳機能障害とは、脳梗塞や脳出血、脳外傷などの脳の損傷が原因で、脳機能のうち、言語や記憶、注意、情緒、行動、学習、判断、知覚といった認知・精神機能に起こる障害です。(詳しくは過去の投稿をご参照ください)
高次脳機能障害の患者さんは全国に50万人くらいいると推定されています。
<高次脳機能障害の捉え方>
高次脳機能は脳の他の機能、つまり運動や知覚機能、さらには全身状態と多大な影響を及ぼし合います。
従って、高次脳機能障害の症状が単独で出るのではなく、全身状態や運動機能、知覚機能の影響を受けるということです。
どこまでが高次脳機能障害による症状で、どこからがそれ以外の要因によるものなのかの判断は、厳密には困難です。
<まず何をすべきか>
高次脳機能障害の方と接するときにまず大切なことは、今、何ができて、何ができないのかを把握することです。
また、高次脳機能障害の方は、呼吸、姿勢、食事、睡眠など基本的な基盤が整っていない状態では、高次脳機能を上手く使うことはできません。
どの段階まで整っているのか、どの段階が整っていないのかを見極める必要があります。(次の項で確認しましょう!)
<高次脳機能リハビリテーション・ピラミッド>
高次脳機能
↑
摂食・嚥下
↑
運動・姿勢
↑
意識・覚醒
↑
呼吸・循環
より下のものから整えていく必要があります。下のものが整っていなければ、その上は整いません。
<基盤から安定を!>
高次脳機能を回復に導くには、基盤の安定が欠かせません。
例えば、睡眠が上手く取れていない、姿勢が安定しない、食事があまり摂れていないなどの状態では、高次脳機能を上手く働かせることはできません。
高次脳機能リハビリテーションピラミッドの下の層からしっかりと安定させていくことが大切です!
<人として向き合う>
高次脳機能障害の方と接する家族や周囲の人は、どう接していいか、どう対処すればいいか分からなくなってしまったりすることもあると思います。
そういう時、高次脳機能障害ばかりに目がいきがちで、「その人」を見ることを忘れてしまうこともあるのではないでしょうか。
障害を持っていてもできることはあります。できないことばかりに目を向けるのではなく、一緒にできることを探していきましょう!
<高次脳機能障害の回復>
失語症と同じく、高次脳機能障害の回復には長い時間を要します。
認知症を合併すると回復が難しくなることも多いのですが、リハビリを続けることで機能を維持することは可能です。
変化が小さくなっても機能を維持することは、今の生活を長く続けるためには大切です。
長期的にリハビリを続けることをお勧めします!
オンラインことばのリハビリ「ことリハ」では高次脳機能障害の方のリハビリも行っています。
機能改善のリハビリだけではなく、その方の生活に合ったアドバイスや、ご家族様のお悩み相談などにも対応しています。
言語聴覚士とリハビリを続けたいと思っておられる方、また、困り事があるご家族様は、ぜひ、ことリハにご連絡くださいね♡
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