高次脳機能障害のお話 家庭での介入の仕方

今回は、高次脳機能障害の方のご家族様がお困りの、家庭での関わりについてお送りしたいと思います。

ご家族様に限らず、高次脳機能障害の方に関わる人の参考になればと思います。

 

<高次脳機能障害のリハビリ>

高次脳機能障害の方のご家族さまは、「高次脳機能を良くするために、家庭では何をしたらいいんだろう」とお悩みになる方も多いようです。

ご家庭でも行える高次脳機能障害のリハビリとして「認知・行動介入法」をご紹介します。これは「行動変容法」ともいわれ、基本的には4つのステップからなります。

 

<認知・行動介入法(行動変容法)>

ステップ① 行動を記録する

高次脳機能障害の方が、ある問題を起こしたとします。

これに対して叱ったり、行動を禁止したりして感情的に対応するのではなく、淡々と記述的にその行動を記録します。

例えば、いつ、どこで、どんな行動をとり、誰がどのように対応し、どんな結果になったのか、などです。

 

ステップ② 行動を分析する

高次脳機能障害の方の場合、何の理由もなく問題行動を起こすことはあまりありません。

多くの場合、問題行動の前に何らかの誘因、原因があります。

問題行動を増強させた強化因子は何か、まず、これを分析する必要があります。

 

ステップ③ 対応を変える

対応はシンプルです。それは、問題行動を増強させた強化因子を取り除くことです。

問題行動の誘因となるような環境因子を取り除き、問題行動を誘発した発言、行動を極力避けるようにします。

そして、可能な範囲で高次脳機能の方が望むように対応を変えます。

 

ステップ④ 理解する

行動そのものや、その行動は何に引き続いて起こったのか、行動の結果や何が得られたかについて考えることによって、高次脳機能障害の方の行動についてより深く理解することができます。

また、高次脳機能障害の方自身は、自分が欲しいもの・対応を手に入れることによって行動の仕方を学ぶことができるのです。

 

<ポジティブな行動支援を!>

高次脳機能障害の方の「何ができないか」、「何が問題か」ばかりにフォーカスを当てるのではなく、高次脳機能障害の方が「何ができるのか」あるいは周囲に対して「何をしてあげられるのか」を見つけ、実践していくことが大切です。

できないことを嘆いたり、悲しんだりするより、できることを喜び、褒めて、支援しましょう。

ポジティブフィードバックが大切です!

 

<生活状況に応じた行動支援とライフスタイルの変更>

ひと口に「高次脳機能障害」と言っても、症状の出方は人によって様々です。必然的に、高次脳機能障害の方に対する支援はすべてオーダーメイドとなり、その方に合った支援を作り上げていく必要があります。

また、高次脳機能障害になる前の生活に戻ることだけを目標とせず、その方に合った目標・ゴールを見つけて、家族や周囲の人と協力しながら生活できると良いですね!

 

オンラインことばのリハビリ「ことリハ」では高次脳機能障害の方のリハビリも行っています。

また、高次脳機能障害の方のご家族さまへの支援も行っています。ことリハは、介護をしている方のメンタルヘルスケアも大切にしています。

言語聴覚士のリハビリを受けたいと思っておられる方、言語聴覚士の支援を受けたいと思っておられる方は、ぜひ、ことリハにご連絡くださいね♡