言語聴覚士のリハビリ視点から見た会話のお話

今回は、「会話」をリハビリの視点から見ていきたいと思います。

私たちが毎日何気なく行っている会話は、実はとても高度な知的活動なんですよ。

リハビリでは、「会話」を通して良くなっていく機能もあります。

では、リハビリの視点で「会話」を見ていきましょう♪

 

<会話とは>

会話は、互いに話したり聞くことであり、共通の話題について話すことです。

会話はよく言葉のキャッチボールと言われます。キャッチボールは向かい合った二人が、相手が受けとれるようにボールを投げる

ということを繰り返すことです。会話には、キャッチボールの心が大切です♡

また、会話は相手に合わせて、その都度臨機応変な対応を求められる、高度な知的活動です。

 

<失語症と会話>

話すことが難しくなる失語症の方にとって、会話はハードルが高いものになります。

しかし、失語症になられたからと言って会話が嫌いになったり、会話を避ける人が多いわけではありません。失語症の方も、会話がしたいのです。

また、会話は失語症の方にとって大切な実践練習であり、最も高度なリハビリです。

しかし、失語症の方は会話したくてもできず、孤立してしまうことがよくあります。

 

<失語症と会話リハビリ>

会話リハビリは、失語症の方にとってなくてはならないものです!

会話だからと言って「話す」ことだけを良くしていくのではなく、「話す」以外の能力も使ってコミュニケーションが取りやすくなるよう応用力を付けていく練習になります。

言語聴覚士は、その方の状態に合った会話を提供し、リハビリでありながらもコミュニケーションの楽しさを感じてもらえるようなリハビリを提供していきます。

 

<高次脳機能障害と会話>

高次脳機能障害の方自身は会話に困っていなくても、周囲の人が困っているということがよくあります。

話は普通にできるのに、話が通じていない、嚙み合わないなどということが生じるのです。

何度同じことを言っても分かってもらえないと周囲はイライラし、本人もイライラしてきます。

そういうことが積み重なると、会話自体が減っていく悪循環に陥ってしまいます。

 

<高次脳機能障害と会話リハビリ>

高次脳機能障害の方にも会話のリハビリは有効です!

高次脳機能障害の方は自分のことを客観視することが苦手なのですが、会話の中で気づきが増えると、会話の疎通性や日々の行動が変化してきます。

言語聴覚士は会話の中で、本人の気持ちに寄り添いながら、自己の問題点について気づきを促し、行動変容を誘導していきます。

 

<認知症と会話>

認知症になると話すことが減る方、話し続けて止まらなくなる方など様々です。

「あの人はあまり話さないから」、「自分のことばかり話して会話が通じないから」と、話しかけてもらえなくなり、さらに認知症が進むというケースも。

会話が減少すると、認知機能がさらに低下するだけでなく、家庭や社会の中で孤立してしまうということが生じてしまいます。

 

<認知症と会話リハビリ>

認知症の方にとって、会話リハビリはかなり重要です!

会話を行うことで、認知機能は刺激されます。

認知症の方は課題的なリハビリを嫌がる方も多いのですが、会話リハビリなら拒否なく応じてくださる方が多いです。(本人はリハビリとは気づかず楽しんでおられます♪)

言語聴覚士は、会話の中で発動性や意欲、見当識や記憶などを刺激しつつ、認知機能面全体の向上を図ります。

 

言葉を話し、会話することができる生物は人間しかいません!

私たちが何気なく行っている会話は、とても高度な知的活動であり、社会との繋がりを保つために不可欠なものです。

会話はとても応用力が必要な活動で、だからこそ、有効なリハビリになるのです。

 

オンラインリハビリ「ことリハ」では、失語症、高次脳機能障害、認知症のリハビリを行っております!

お困りの方は、ぜひ、ご連絡ください♡