疲労、ストレス、急な寒さでも起こる末梢性顔面神経麻痺のお話

皆さんは「末梢性顔面神経麻痺」という病気をご存じでしょうか?

あまり聞きなれない病気だと思いますが、意外と身近な病気なんです。

疲労やストレス、急な寒さが引き金となって発症することもあります。

今回は「末梢性顔面神経麻痺」についてお話していきたいと思います。

 

<顔面神経麻痺とは>

顔面神経麻痺は「中枢性顔面神経麻痺」と「末梢性顔面神経麻痺」に分かれます。

中枢性顔面神経麻痺は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害などが原因で起こるものです。

末梢性顔面神経麻痺は、脳から発した顔面神経が側頭骨の中の顔面神経管という骨管の中を通り、耳下腺を貫き顔面に分布しているいずれかの部分の障害が起きたものです。

 

<末梢性顔面神経麻痺の症状>

・顔面の半分が垂れ下がる

・目が片目だけ閉じれない

・目の周りが痙攣する

・口角が下がる

・口が動かしにくい

・顔や耳、首や肩が痛い(場合によっては激痛)

・味覚障害、涙や唾液の分泌低下 など

 

<末梢性顔面神経麻痺の原因>

・ウイルス(単純ヘルペスウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルスなど)

・過労、精神的ストレス

・顔面への強い寒冷刺激

・外傷(けがや骨折)、腫瘍、手術

・中耳炎、内耳炎

・自己免疫性疾患 など

 

<末梢性顔面神経麻痺の治療>

・できるだけ早期にステロイドや抗ウイルス薬などの薬物治療を開始する。

・適切なリハビリテーションを受ける。(中枢性顔面神経麻痺のリハビリとは全く違うため、しっかりした知識と技術を持ったセラピストからリハビリを受ける。)

・半年経過しても症状が残っている場合には、それ以上の回復は難しくなり、場合によっては形成外科的手術を行う。

 

<末梢性顔面神経麻痺の初期に気を付けるこ>

・顔をできるだけ動かさない極力話さない、表情を大きく変えない

・顔を冷やさないようにする

・顔の血流を良くするためのマッサージを行う(正しいやり方を教えてもらって行う)

・目の乾燥を防ぐ(目が閉じない場合は、目薬や眼帯を使用)

・神経の回復を促す薬の服用(ビタミンや血行促進剤など)

 

<末梢性顔面神経麻痺の後遺症>

4人に3人は完治するといわれていますが、後遺症が残る場合があります。

・眼瞼下垂

・顔面下垂

・拘縮、筋力低下

・病的共同運動(本来の動きとは違う誤った動き)

 

<末梢性顔面神経麻痺は放置せず、必ず受診を!>

末梢性顔面神経麻痺は、初期の対応が非常に大事なので、軽度であっても放置せず、耳鼻科や神経内科を受診することをお勧めします!

必要に応じた適切な治療とリハビリを受けることが大切です。

 

ことリハは、末梢性顔面神経麻痺への対応、リハビリ、アドバイスも行えますので、お困りの方はご相談ください♡