今回は、失語症になっても病前と同じく保たれることについて、お話ししていきたいと思います。
失語症になると言語機能に障害が起きてしまいますが、それ以外の機能は保たれます。
しかし、失語症になると言語機能以外の機能も低下していると勘違いされてしまうことがあるんです。
失語症の方について、もっとご理解していただけたらと思います。
<知的機能>
失語症になると、言葉を聞いて理解することや読んで理解することが苦手になるため、知的機能が低下していると思われてしまうことがありますが、知的機能が低下しているわけではありません。「言葉」に関することの理解が難しくなっているだけです。
物事を考える思考力や、筋道を立てて考える力は保たれています。
(認知症を合併した場合には知的機能の低下がみられます)
<状況判断力>
失語症になっても状況を理解し、その状況に合った判断を下す力は低下しません。
失語症になると状況判断力も低下していると思われてしまうことがありますが、失語症では状況判断力は低下しないため、自分が置かれた状況に合った適切な行動を取ることができます。
(認知症を合併した場合には状況判断力の低下みられます)
<社会的礼節>
失語症になると言葉を聞いて理解することや、話すことが苦手になるため、社会的礼節が低下していると勘違いされることがありますが、失語症になっても社会的礼節は保たれます。
失語症になっても、挨拶を交わす、感謝やお詫びの気持ちを表現するなど、その状況にふさわしい態度を取ることができ、周囲に配慮することができます。
(認知症を合併した場合には社会的礼節が低下することもあります)
<記憶力>
失語症の人は言葉が言えなかったり、文字が書けなかったりすることで記憶力が低下していると思われてしまうことがあります。
しかし、失語症では記憶は低下しません。ですが、言葉を介して理解することに障害をきたしているため、記憶そのものの障害ではないけれど、言葉を介して提示された情報を記憶することが難しい場合があります。
<その人らしい人格>
失語症になっても、人格は変わりません。
しかし、失語症になってしまったことや、失語症によって起こる様々な問題を受け入れられず、イライラしたり、自暴自棄になったり、殻に閉じこもってしまったりすることはあります。
時間の経過や周りの人たちの支えによって、失語症という障害を受け入れられると、その人らしさを取り戻すことができます。
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