今回は、「半側空間失認」と「半側身体失認」についてお送りします。
どちらも脳卒中後によくみられる症状なので、皆さまに知っていただけますと幸いです。
<失認とは>
失認とは、高次脳機能障害の一種で、視覚、聴覚、触覚の機能には問題がないにもかかわらず、それが何か認識できない症状です。
見ても分からないのは「視覚失認」、聞いても分からないのは「聴覚失認」、触っても分からないのは「触覚失認」、空間を捉えられないものは「空間失認」と言います。
今回は「半側空間失認」と「半側身体失認」についてご説明させていただきます。
<半側空間失認>
目が見えているにもかかわらず、脳損傷を起こした側と反対側の空間が認識できなくなる状態です。
右脳損傷の方に左半側空間失認がみられることが多いです。
左半側空間失認では、左側を見落とす、左側からの刺激に気付きにくい、左側を見落としているために物の中心をとらえられないなどの症状がみられます。
数は少ないですが、左脳損傷の方に右半側空間失認がみられることもあります。
<半側身体失認>
身体失認は、自分の体の一部が認識できていない状態です。
麻痺側上下肢に対してよくみられます。
麻痺側の存在を忘れて行動してしまうので、麻痺側をぶつけたりしてしまったり、麻痺がないかのような行動を取ろうとしたりしてしまいます。
例:起き上がる時など動き出そうとするときに麻痺側の上下肢を置き去りにするような動きをしてしまう、下肢に麻痺があるのに急に立ち上がろうとしてしまう…等
<どちらも意識することが大切>
半側空間失認も、半側身体失認もまずは、本人が自分にその症状があることを認識し、日々の生活の中で気を付けることが大切です。
どこに気を付けたらよいか分からないという方は、まずは毎日行う動作の場面ごとに気を付けるポイントを上げると良いですよ。
例:食事の時左側のものを食べ残してないか、髭剃りの時左側を剃り残していないか…等を毎回確認する。
失認の症状と上手く付き合っていくためには、失認の症状に合った対応が必要です。
コメントをお書きください