今回は、「病態失認」、「手指失認」、「左右失認」についてお送りします。
あまり聞き慣れない失認かもしれませんが、臨床をやっていると珍しくない失認です。
皆さまに知っていただけると幸いです。
<失認とは>
失認とは、高次脳機能障害の一種で、視覚、聴覚、触覚の機能には問題がないにもかかわらず、それが何か認識できない症状です。
見ても分からないのは「視覚失認」、聞いても分からないのは「聴覚失認」、触っても分からないのは「触覚失認」、空間を捉えられないのは「空間失認」と言います。
<病態失認>
病態失認は、自分の病態を認識できていない状態です。
持っている障害のことを認識できていないため、その障害を持っていないかのような言動を取ってしまうことが多く、危険な行動を取ってしまったり、障害に対する周囲の説明が理解できないなどの症状がみられます。
ある障害については認識できていても、他の障害については認識できていないという場合もあります。
<手指失認と左右失認>
手指失認と左右失認は、頭頂葉の損傷でみられるゲルストマン症候群でよくみられます。
手指失認は、どの指が何指か認識できない状態です。
左右失認は左右認識障害とも言われ、身体や空間の左右が分からなくなる状態です。
ゲルストマン症候群では、手指失認、左右失認に加え、失書(字が書けない)、失算(計算ができない)がみられます。
失認の症状と上手く付き合っていくためには、まず、自分にどんな失認があるのか知ることが大切です。
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