本日は、「唾液の働き」についてお送りします。
唾液は健康を保つためにたくさんの働きがあるんですよ。
皆さまに知っていただけますと幸いです。
<摂食・嚥下を助ける>
唾液は食べ物を咀嚼するときに、食べ物を咀嚼しやすくする働きがあります。
また、咀嚼によって食べ物は唾液と混ざり、飲み込みやすい形(食塊)となります。
唾液には食べ物を飲み込みやすくする働きもあるのです。
<消化作用>
唾液の中には、βアミラーゼというでんぷんを消化する酵素成分が入っています。
食べ物を噛めば噛むほど、唾液は分泌され、米やパンなどの炭水化物が消化されます。
この作用があるおかげで、消化時の胃腸の負担を軽減することが出来ます。
ただし、唾液にはタンパク質を分解する酵素は含まれていないため、タンパク質を分解することは出来ません。
<湿潤・保護作用>
口の中は、軟組織とよばれる舌や頬、唇などの軟らかい部分と、硬組織とよばれる歯という硬い部分が共存しています。
歯は身体の中で最も硬く、そんな硬い部分が話をする時、食べる時、ずっと軟らかい部分に当たり続けています。
唾液には、軟組織部の動きを滑らかにする潤滑剤の作用があり、こすれて傷がつくのを防いでくれています。
<洗浄作用(自浄作用)>
唾液には、歯の表面や口の中などについた食べカスを洗い流す作用があります。
これによって、口の中を清潔に保ったり、むし歯を作りにくくしています。
<抗菌作用・排出作用>
唾液にはリゾチームやラクトフェリンに代表される抗菌作用を持つ成分が含まれています。
これにより、口を通して細菌が体の中に侵入することを防いでくれています。
また、毒素や異物が口に入ってきたとき、唾液がまとわりつくことで体を守り、排出しやすくします。
体内に投与された薬物の一部が唾液中より排出され、血中濃度を減らす働きもします。
<緩衝作用>
むし歯の原因は、ストレプトコッカス・ミュータンスに代表される細菌です。
むし歯菌は酸性の乳酸を排出します。この作用で歯が溶かされて穴が開き、むし歯になります。
唾液には、この乳酸により酸性に傾いた口の中のpHを中性に戻す作用があります。
こうした作用を緩衝作用といいます。
緩衝作用が強ければ強いほどむし歯に強い環境を作り出してくれます。
<再石灰化作用>
むし歯になると自然に治ることはありません。
むし歯に至る一歩手前の状態では、歯の表面が過度に白くなっています。
唾液の中には、カルシウムやリン酸といった様々な無機物成分が含まれています。
これらの成分が、むし歯の前段階である、歯の表面が白くなった状態のときに、元の状態に戻そうとしてくれるます。
これを再石灰化作用といいます。
コメントをお書きください