今回は、「硬膜下血腫」についてお送りします。
硬膜下血腫は、高齢者に多くみられ、慢性の場合はしばらく症状が出ず、時間が経ってから症状が出ることがあります。
硬膜下血腫について皆さまに知っていただき、少しでも参考になれば幸いです。
<硬膜下血腫とは>
硬膜下血腫は、頭を打つなどの頭部に衝撃を受けることによって、頭蓋骨の中で脳を守っている硬膜の下(硬膜とくも膜の間)に血腫ができた状態です。
<硬膜下血腫には急性と慢性がある>
硬膜下血腫は、交通事故や転倒・転落などによって頭部に強い衝撃が加わることで起こりますが、発症の時期によって急性と慢性に分けられます。
受傷後すぐに硬膜下に血液が溜まり急速に血腫ができるのが「急性硬膜下血腫」。1~2か月後など時間が経ってから徐々に血腫ができるのが「慢性硬膜下血腫」です。
<急性硬膜下血腫の症状>
・受傷直後から意識がなくなる
・立てない
・まっすぐ歩けない
・上手く話せない
・頭を打った直後は特に症状がなかったが1~2時間後に意識障害が起こる
・出血が進み血腫が広がると、意識や呼吸・循環の調節を行っている脳幹を圧迫し、死に至ることも
<慢性硬膜下血腫の症状>
・徐々に頭痛や箸や茶碗を落とすなど運動障害、しゃべりにくさ、認知症のような症状が出てくる
・意識障害がみられることもある
・運動麻痺がみられることもある
・失語症がみられることもある
・記憶障害や注意力の低下、判断力の低下など高次脳機能障害がみられることも
・放置すると命にかかわることも
<頭をぶつけた時に取るべき行動>
・頭を強打した直後、意識障害や運動障害など症状があれば、すぐに救急車を呼んで受診する
・抗血栓薬を飲んでいる人は症状が軽くても受診する
・頭をぶつけた後、1~2か月は慢性硬膜下血腫を念頭に、症状が現れないか注意する
・症状が出現したり、症状が治まらない、徐々に悪くなっているなどの場合には、脳神経外科を受診する
硬膜下血腫によるコミュニケーション障害、高次脳機能障害でお困りの方は、ぜひ、ご相談下さい。
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