「殿様枕症候群」って何?

今回は、「殿様枕症候群」について、お送りします。

皆さんは、殿様枕症候群という言葉を聞いたことがありますか。

枕の高さは、脳卒中予防に重要なんです。

皆さまの参考になれば幸いです。

 

<高すぎる枕は危険>

国立循環器病研究センター脳神経内科のグループが、脳卒中の原因の一つである特発性椎骨動脈解離は枕が高いほど発症割合も高く、またより固い枕では関連が顕著であることを立証し、「殿様枕症候群」(英語名:Shogun pillow syndrome)という新たな疾患概念を提唱しました。

特発性椎骨動脈解離は、首の後ろの椎骨動脈という血管が裂けてしまうことで脳卒中を起こします。

 

<枕は高ければ高いほど危険!>

研究では、国立循環器病研究センターにおいて特発性椎骨動脈解離と診断された症例群と、脳動脈解離以外の対照群の発症時に使用していた枕の高さを調べました。

高い枕の基準については12cm以上を高値、15cm以上は極端な高値と定義しました。

この研究で、枕が高ければ高いほど特発性椎骨動脈解離の発症割合が高いことが示されました。また枕が硬いほど顕著でした。

 

<「殿様枕症候群」の名前の由来>

枕が高くなるほど特発性椎骨動脈解離との関連が強くなることがわかり、研究チームはこれを、江戸時代の高くて硬い枕にかけて、「殿様枕症候群」と名付けました。

高い枕によって首が曲がった状態となり、寝返りを打つときに首の血管に過剰な負荷がかかって傷がつく可能性が大きくなると考えられています。

 

<枕の高さで脳卒中予防>

研究チームの猪原匡史医師によると、基本的には、枕の中心部分が、頭を乗せていない状態で12センチ未満が望ましいということです。

体重や体型によって適切な枕の高さは異なりますが、1つの目安としては、仰向けに寝た状態で、まっすぐ立っている姿勢になるくらいの高さで、寝た時に目線がおへその上の天井を見るイメージして枕を選んでみると良いとのことです。

 

枕の高さって大切ですね。

高すぎない枕で脳卒中を予防しましょう。