腸は第二の脳って本当⁈

今回は、「腸は第二の脳」というお話をお送りします。

腸の働きについて知っていただき、脳を健康に保つ参考にしていただけますと幸いです。

 

<腸は神経細胞が多い>

腸内には「腸管神経」という脳とつながる神経網が張りめぐらされており、約1億個もの神経細胞が存在します。

なんとこれは脳に次ぐ多さなんです!

さらに腸の機能は、脳が司令を出しているのではなく、腸が判断して自らコントロールしていることから、「第二の脳」と呼ばれています。

また特に近年注目されているのが「脳腸相関」といわれる脳と腸の関係です。

脳と腸は、どちらか一方からではなく、お互いに影響し合っています。

 

<「脳腸相関」とは>

大腸は多くの神経細胞があり、交感神経系や副交感神経系を介して脳とつながっています。

おなかの調子が悪いと気分が沈み、逆に脳にストレスがかかるとおなかの調子が悪くなるといったように、脳と腸が双方向に影響し合うことを「脳腸相関」といいます。

 

<腸内細菌は病気にも影響>

腸内細菌は神経伝達物質も作っています。神経伝達物質にはセロトニンやドーパミンなどがありますが、セロトニンは感情のコントロールや精神の安定に深く関わっている物質で、不足するとうつ病を発症する原因にもなります。

また、パーキンソン病はドーパミンが働かなくなることで発症し、脳・神経の病気と思われていますが、最新の研究では、原因が大腸にあるのではないか、といわれるようになってきました。

 

<腸内環境が良いと認知症になりにくい>

ここ数年は、腸内細菌が脳の働きに与える影響についての研究が進んでいます。

例えば、2020年に報告された、国立長寿医療研究センターの佐治直樹氏らの研究によると、「腸内細菌が代謝の過程で生み出す乳酸が多い人では、認知症リスクが低い」という相関関係が明らかになっています。

また、ある研究では、乳酸が多い人は記憶力が良いという結果も出ています。

 

腸内環境を整えて脳も健康に保ちたいですね!