脳のお話 海馬の働き

今回は、脳の「海馬」の働きについてお送りします。

海馬は記憶に関わる大切な働きをしています。

皆さまの参考になれば幸いです。

 

<海馬の働き>

海馬は神経細胞の結合をつくる役割を果たしていると言われ、短期記憶から長期記憶へと情報をつなげる中期記憶を担う器官です。

日常的な出来事や学習して覚えたことは、いったん海馬にファイリングされ、整理整頓してから大脳皮質という部分へ保存されます。

海馬では記憶の重要度を判断し、特に重要と判断した情報を大脳新皮質に送ります。

つまり海馬は、記憶を仕分ける司令塔なのです。

また、海馬は空間記憶やエピソード記憶の保存や想起に関与しています。

 

<海馬が障害されるとみられる症状>

海馬を損傷すると以下の症状がみられます。

・障害前の出来事を思い出せなくなる(逆行健忘)

・障害後に起こった出来事を覚えることができない(前行健忘)

・予定を忘れたり、大切な情報を思い出せなくなったりする

 

<アルツハイマー型認知症は早期に海馬が萎縮し始めます>

アルツハイマー型認知症は、脳の神経細胞が次第に衰えて死んで減少してしまい、脳全体が萎縮してしまう疾患ですが、特に記憶に重要な海馬が早期に障害されます。

アルツハイマー型認知症では短期記憶とエピソード記憶が早期から障害されます。

また日時がわからなくなることが多く、次いで場所、人などがわからなくなります。

 

コミュニケーション障害や高次脳機能障害でお困りの方や、リハビリに取り組みたい方は、ぜひ、ことリハにご相談下さい。